ユッピーとさきんこ

むらからはなれたばしょに それはちいさくて とてもかわいい「さきんこ」 と いうやまがありました。
村から離れた場所に それは小さくて とても可愛い「さきんこ」 と 言う山がありました。

さきんこやまは むらができる なんねんも なんじゅうねんも まえから はなのせいである「ユッピー」 と いっしょにくらしていました。
さきんこ山は 村が出来る 何年も 何十年も前から 花の精である「ユッピー」 と 一緒に 暮らしていました。

ユッピーがいるおかげで さきんこやまには はる・なつ・あき・ふゆ いつでも おはなが さいています。
ユッピーがいるお陰で さきんこ山には 春・夏・秋・冬 いつでも お花が 咲いています。

「ねぇ ユッピー らいねんは どんな はなを さかせるの?」
「ねぇ ユッピー 来年は どんな 花を 咲かせるの?」

さきんこが ききました。
さきんこが 聞きました。

「うん らいねんは はるにスミレ なつにヒマワリ あきにコスモス ふゆにバラを さかせようと おもっているのよ。」
「うん 来年は 春にスミレ 夏にヒマワリ 秋にコスモス 冬にバラを 咲かせようと 思ってるのよ。」

すると うれしそうに さきんこが いいました。
すると 嬉しそうに さきんこが 言いました。

「ほんとに!!! そうしたら らいねんもまた むらのみんなが ぼくたちのところに あつまるね!」
「ほんとに!!! そうしたら 来年もまた 村の皆が 僕達の所に 集まるね!」

「ぼく うれしくて もういまから むねが ドキドキしているよ。」
「僕 嬉しくて もう今から 胸が ドキドキしているよ。」

そうなんです。
そうなんです。

さきんこやまは いつも おはなが さいているので むらのみんなが あそびに やってくるのです。
さきんこ山は いつも お花が 咲いているので 村の皆が 遊びに やって来るのです。

プンプンおこって めが キューンと なったひと。
プンプン怒って 目が キューンと なった人。

エンエンないて めが ショボンと なったひと。
エンエン泣いて 目が ショボンと なった人。

どんなひとでも さきんこやまに やってきて はなのなかに ねころんでみると たちまち ニコニコのえがおに もどるのです。
どんな人でも さきんこ山に やってきて 花の中に 寝転んでみると たちまち ニコニコの笑顔に 戻るのです。

むらのみんなは そのことを よくしっているので なにかあるたびに さきんこやまに やってくるのです。
村の皆は そのことを よく知っているので 何かある度に さきんこ山に やって来るのです。

「きょうは けんかした おとうさんと おんなのこが ふたりで 「ごめんね」 と いって たくさんあそんで かえったね。」ユッピーがいいました。
「今日は 喧嘩した お父さんと 女の子が 二人で 「ごめんね」 と 言って 沢山遊んで 帰ったね。」

ユッピーが いいました。
ユッピーが 言いました。

すると さきんこが ユッピーに ききました。
すると さきんこが ユッピーに 聞きました。

「うん おいしそうなオニギリも たべていたね。」
「うん 美味しそうなオニギリも 食べていたね。」

「でも どうして ユッピーのさかせた おはなのなかに ねころぶと えがおが もどるの?」
「でも どうして ユッピーの咲かせた お花の中に 寝転ぶと 笑顔が 戻るの?」

「まえから ふしぎで・・・。」
「前から 不思議で・・・。」

ほんとうに ふしぎなことですよね・・・。
本当に 不思議なことですよね・・・。

でも むらのみんなは あまり、ふしぎに、おもっていないようです。
でも 村の皆は あまり 不思議に 思って いないようです。

でも さきんこは いつもいつも むらのみんなが くるたびに ニコニコのえがおに かわるので
でも さきんこは いつもいつも 村の皆が 来る度に ニコニコの笑顔に 変わるので

(どうしてなのかな?) と まいにちのように おもっていたのです。
(どうしてなのかな?) と 毎日のように 思っていたのです。

すると ユッピーが そっと おしえてくれました。
すると ユッピーが そっと 教えてくれました。

「たねを まくまえに おまじないを しているの。」
「種を まく前に おまじないを しているの。」

「すると おはながさくと とてもあまいかおりが とてもいっぱい ひろがって、えがおが もどるのよ。」
「すると お花が咲くと とても甘い香りが とてもいっぱい 広がって 笑顔が 戻るのよ。」

「あまいかおりの おかげで むらのみんなの えがおが もどるのか!」
「甘い香りの お陰で 村の皆の 笑顔が 戻るのか!」

「でも そのおまじないって いったい どんなことを するの?」
「でも そのおまじないって 一体 どんなことを するの?」

さきんこは つぎに おまじないのことが きになってしまったようです。
さきんこは 次に おまじないのことが 気になってしまったようです。

すると ユッピーが いいました。
すると ユッピーが 言いました。

「それは はなのせいだけの ひみつだから さきんこには いえないのよ。」
「それは 花の精だけの 秘密だから さきんこには 言えないのよ。」

「ほんとうに ごめんね。」
「本当に ごめんね。」

「そーなんだ あーあ。」
「そーなんだ あーあ。」

さきんこは すこし がっかりして しまったようです。
さきんこは 少し がっかりして しまったようです。

「でも ひみつなら しかたないね。」
「でも 秘密なら 仕方無いね。」

「それより ユッピー あしたは どんなひとが やってくるのかな?」
「それより ユッピー 明日は どんな人が やってくるのかな?」

「たのしみだな ぼく ムニャ ムニャ・・・。」
「楽しみだな 僕 ムニャ ムニャ・・・。」

「わたしも たのしみだわ ムニャ ムニャ・・・。」
「私も 楽しみだわ ムニャ ムニャ・・・。」

よるもふけ さきんこと ユッピーは ふかいねむりに つきました。
夜も更け さきんこと ユッピーは 深い眠りにつきました。


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